第三に、消費者の購買欲をそそるような魅力をそなえているかどうかである。繊維は万年生産過剰というけれど、原料の供給はいざ知らず、人気のあるデザインはいつも不況知らずだし、付加価値が高いからたいした量を売らなくとも、ちゃんと採算にのっている。何が売れる商品かというところに焦点を合わせれば、小さな店でもよく売れるようになるし、デパートも血眼になって売れる商品をさがしているのである。
第四に、付加価値があって少量で採算にのる性質の商品を狙うことである。マスプロの時代はもうすぎた。少量からはじまって、ついにナショナル・ブランドにまで発展することもあり得るが、特定のレベルの人間を狙い、一定の量で勝負のできる商品を考えたほうがよい。
たとえば、ケーキ屋がものすごい勢いで伸びているが、これは一日に一〇個買ってくれるお客が一〇〇人来てくれればラクな商売ができるからである。一日に一〇〇人ならそうたいした住民数を必要としないし、個性的な商売ができる。しかも原価率はせいぜい三割ていどだから、他の物品販売に比して付加価値が高い。
洋服屋についても、レコードや雑誌についてもこの原則は生きており、三〇万人の不特定のお客よりも三万人の確実なお客に的をしぼった商売が栄えるようになったのである。
第五に、これは前にふれたが、「物品」販売だけが販売ではないのだから、物品ばかり売ることを考えないことである。
売れるものは何でも売ればよいし、これからは、「こんなものが売れるのか」というものが売れるようになる。
買う人さえおれば何でも売れるのだから、消費者の心理をよくつかまえることができればよいのである。品物にこだわることはない。
あなたがこれから選ぼうと思っている商売が以上のうちのどれかにあたっているかどうか、もし複数にあたっているなら自信を強めてよいし、一つもあたっていなかったら、たぶん、やめておいたほうが無難であろう。
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