偶然が重なり合って生じたピンチなら、いずれ売上げが恢復することも期待できる。しかし、不況を長期化させている原因が消費者の購買心理の変化であって、しかもそれが元へ戻らない性質のものであるとすれば、これはお金の流れの基本的な変化であるから、抜本的な対策をしなければ、大企業たると零細企業たるとを問わず、えらいことになってしまうだろう。
早い話が、スーパーの売上げはここのところ落込みが激しくなっている。業績が悪化して減収になっているスーパーは一目瞭然だが、一ケタ台の増収になっていても、少し中身に立ち入って見ると、不採算店が続出しており、そのマイナスを新規店の売上げで辛うじてカバーをしている状態というのが多い。
この際、不採算店は思いきって店じまいをして、別のところに新しいアイデアで店をつくるという、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドを断行するか、採算店でも商品構成をガラリとかえて、「量販店」から「質販店」へ転向したり、衣料部門から食料部門に重点を置きかえたり、もしくは、食料品売場を従来のイメージとはまったく違ったグレードの高いものに切りかえてしまうか、しなければ、企業の存亡にも影響しかねない。
これほどのピンチにスーパー業界が陥ったのも、従前のマスプロ製品をマスセールする方式では、もはや消費者たちの購買心理に合致しなくなったからであり、ひとたびこういう事態に陥ったら、いくら資本が潤沢でも、またいくらスケールが大きくても、自然淘汰のルールに支配されてしまうのである。
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