第42回
邱永漢財務相談室をひらいたいきさつ

私はしょっちゅう人から相談をかけられますが、
人の相談にのることが
メシのタネになるとは思っていません。
いまも人と人をつないだり、
仕事を人とつないだりする世話を焼いていますが、
自腹を切ってバンコクまででも、
中国や台湾まででも出かけて行きます。

企業の買収や合併の斡旋は
アメリカでは立派なビジネスになっており、
双方からコミッションを7%ももらうそうです。
100億円の斡旋を一つやって成功したら
こたえられませんね。
でもさんざん走りまわって、うまく話がまとまっても、
報酬はゼロというのもあります。

うちの家内は香港の人ですが、
家内たちの広東のコトバでそういうのを
「ひよこの仲人」と言うそうです。
ひよこは安くてお金にならないものですから、
いくら口を酸っぱくして話をうまくまとめても
お金にならないでしょう。
私がまとめた話のなかには、
一件で30億円、50億円というのもありますが、
私は1円ももらったことがありません。
それでもいやがらずにやっているのは
面白いことだからです。

前にも言ったように、コンサルタントを廃業して
人の相談にのるのをやめていたら、
私のアドバイスで「一枚の繪」をはじめた竹田さんが、
「財務相談室をひらいて
人の相談にのる仕事をやったらどうですか、
邱センセイに相談したいと思っている人は
たくさんいますよ。」
そう言って、自分でさっさと邱永漢財務相談室の広告を
新聞に出してくれたんです。

私は半信半疑でしたが、
本当に申し込みが次から次へと舞い込んできました。
仕方がないので、相談申込み用紙をつくり、
本人の住所氏名からはじまって、
どんな商売をやっているのか、
収入はどのくらいあって、
資産はどのくらい持っているのか、
またどんなことを相談したいのか記入してもらい、
書面で先ず申し込みを受けてから
改めて面会日をきめて相談にのることにしました。

面会時間は1時間、相談料は
高いのか安いのかわからなかったけれど、
1回1万円にきめました。
もう30何年も前のことです。





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