第65回
時差をなおす方法を教えて下さい

誰か時差をうまく克服できる方法を知りませんか。

東にとんでも西にとんでも、遠くに行くほど
悩まされるのが時差です。
個人差はありますが、
人間が生理的に調整のできる限界は
1日に1時間か、1時間半くらいだそうです。
ですから、地球の裏側のニューヨークのあたりだと、
その土地の時間になれるまでに
少くとも8日間くらいかかるし、
ヨーロッパの時間になれるまでに、
5日間くらいはかかってしまいます。
やっとなれたと思ったら、また日本へ戻ってきて、
もう一度時差に苦しむのは
旅好きの人たちがよく経験することです。

私の親しかったゼロ戦の設計者で、
日本ではじめてロケットをとばした
糸川英夫先生に言わせると、
生理的な調整に妙薬はないそうですが、
元のJTBの社長さんは、行きも帰りも
飛行機の中の食事は一切食べずに、
眠っているのが一番だと
しきりにすすめてくれたことがあります。
でも折角、大奮発してファーストに乗っているのに、
ワインもフォアグラもキャビアも
一切手をつけないのは
少々もったいない気もしますよねえ。

また船酔いのクスリを飲めばよいと
すすめてくれた人もあります。
でもどれを試みてもうまく行ったためしがありません。
それどころか、年をとるにつれて
時差から恢復するのに
ますます時間がかかるようになりました。
このままだと、時差がこたえる旅行が
億劫になるのではないかと恐怖しています。

それにつけても日本の総理大臣など
専用機とはいえ、アメリカやアラビアや
ヨーロッパにとんで、ついた途端に
精力的に過密スケジュールをこなし、
帰って来ると、すぐ議会の報告をしたり、
政事の対策に走りまわって、時差知らずなのには
ほとほと感心します。
どうしてそんな離れ技ができるか、
ご存じですか。
それは向うの時間になれないうちに
帰ってくるからです。
その代わり向うでは眠いのをガマンして
交渉していますから、ロクな成果は期待できません。
どうして 日本の外交がお粗末なのか、
これで納得が行くでしょう。





←前回記事へ 2000年5月13日(土) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ