第67回
留学の年齢は親が決めることです

言葉を覚えるには子供の時が一番です。
耳からきいて、しぜんに記憶されるので、
文法なんか必要ありません。
私は台北と上海と(近く北京)で
日本語学校をやっていますが、
日本人の先生は文法なんかわからなくとも、
日本語が教えられます。
でもオトナになってから
日本語を習おうとすると、
文法がわからないと一歩も先へ進めません。
リクツで日本語を覚えようとするからです。

文法は台湾人か中国人で、
日本に留学したことのある人が教えます。
サ行変格とかラ行変格とか日本人も知らないような
日本語の文法を知っているのは
オトナになってから日本語を覚えた人々です。
当然ながら、子供の時から覚えた日本語とは
違いますから、二言三言喋っただけで
お里が知れていしまいます。

それと同じように、
英語を母国語のようにマスターしようと思えば、
できるだけ早く
英語圏に留学するにこしたことはありません。
この頃は海外に駐在する親に連れられて
そういう環境におかれる子供がふえましたが、
子供の将来のことを考えて、
子供を早くからアメリカやイギリスに
留学させたがる親もふえています。

言葉を覚えるためには確かにその通りです。
でも人生は言葉だけではありません。
英語がペラペラ喋れても、思考能力がどっちつかずで、
アメリカ人か日本人かわからなくなると、
どっちの社会でも受け入れてくれなくなります。
社会が本当に欲しがっているのは
日本の事情に精通したアメリカ人か、
アメリカの事情に通じた日本人だからです。

日本人であっても、早くからアメリカに行って、
アメリカ人の環境でオトナになれば、
アメリカ人の発想をやるようになります。
それはそれで立派に生きて行けます。
その代わり親とは違った物の考え方をする
外国人に育ってしまいます。
それでもよいと思えば、もちろん、
どんなに早く外国留学させてもかまいません。
どちらにするかは、本人よりも親の決めることです。





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