第95回
借金は刃物と同じです

私が自分の家を建てた昭和40年代は
まだ高度成長の続いていた時代でした。
年と共に地価も値上がりしていましたが、
建築費も上がり続けていました。

こういう時代にはお金が貯まってから
マイホームを手に入れたのでは間に合いません。
貯蓄をしている間に地価も建築費も上昇して、
「家が建たずに腹ばかり立って」しまうからです。
そこで私は家を建てたい人には借金をすることをすすめ、
自分の家を建てる時も
土地を買うお金はある銀行から借り、
家を建てるお金は別の信用金庫から借りて
何とか自分の宿望を実現させました。

いま考えて見ると、かなり無謀なやり方ですが、
他に収入があってお金を返済できるあてがあったからです。
でも土地を買った時は1坪が21万円で、
バブルの時は坪3000万円と評価されましたから、
借金もバカにしたものではありません。

しかし、こんなことはいつまでも続くものではありません。
バブルがすぎると、東京の土地は半分以下、
ところによっては10分の1にも下がってしまいました。
私の家も最高値の時に比べると、
8分の1になってしまいましたから、
もし最高値か、それに近いところで
私の家を買った人がいたとしたら
大損をしてしまったことでしょう。

バブルのさなかに
不動産会社のセールスマンの口車に乗せられて、
1億円もするようなマンションを買わされた人は
大体、これと同じような目にあわされたことになります。
マンションを売って銀行の借金を完済できたらいい方で、
うっかりすると、頭金が全部パアになった上に、
借金がまだ残っているというのも少なくありません。

まあ、こんなことは一生の間に二度とないでしょうが、
借金は刃物と同じように一歩間違えると、
大怪我をさせられることがあるのです。
その使い分けが必要ですが、
いまは景気のどん底にいますから、
その心配はほとんどないでしょう。





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