第102回
主婦が利殖に目ざめたきっかけ

日本にも国債とか社債とかいうものがあります。
のちにワラント債とか、
転換社債というものもできました。

国や一流会社が発行した債券には
それぞれ利息が支払われます。
その利廻りは通常、銀行や郵便局の定期預金の利率を
上廻っていますから、
少し利に敏い人なら、定期預金にするより
債券を買う筈です。
現にそうしている人もいます。

でも大抵の人は
お金を銀行に持って行って預けますので、
銀行や郵便局がそのお金を使って債券を買ったり、
大企業や政府機関に融資をしてその利ザヤをを稼ぎます。
お金をふやす仕事とふやしたお金の中から利息として
きまった利率のお金を預金者に払うのは、
ずっと分業になってきたのです。
このやり方は日本人の金銭観や
日本人のお金に対する習慣にマッチしたものですから、
それに異和感を持つ人はあまりいませんでした。

でも国全体が豊かになり、
一世帯当りの貯蓄額が
かなりの金額に達するようになると、
少しずつ異変が起ってきました。
バブルになる少し前から、同じ貯金でも、
信託銀行や特殊銀行の売り出す利付債券の利廻りが
銀行の定期預金の利率より高いことが
新聞広告でわかるようになると、
多くの主婦たちが満期になった定期預金を解約して
信託銀行の窓口に行列するようになったのです。
年に2%の違いがあると、
100万円で2万円の差が出てきます。
1000万円なら20万円ですから、
ご主人の賃上げによる年間の収入のふえる分を
上廻ってしまいます。
それも銀行に預けていたお金を別の銀行に持って行って
別の証書に換えただけですから、
主婦にもできるお金のふやし方があることが
わかってしまったのです。

第1次のマネー・ブームはそこから起りました。
一世帯当りの貯蓄額が
一家の年間収入の1倍半に達した時期でした。
どこの国もそうであるのかはわかりんせんが、
その程度の貯蓄があるようになると、
お金をふやすことに興味を持つ人がふえるようです。





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