第119回
気のつく人と計算高い人の違い

日本語の中で一番頻度激しく使われる言葉は
「気」という字であることについては、
前にも述べました。
挨拶は先ず天気からはじまります。
気分爽快になるのも気が滅入るのも天気次第です。

オマンマに影響するのはもちろん、景気です。
景気が好くなれば、気が大きくなるし、
景気が悪くなれば、気の毒なほど弱気になります。
人気もよく変わるもので、
お客さまは気まぐれですから、
よほど気をつけないとすぐに忘れられてしまいます。
何と言っても日本人は、
まわりに対してとても気をつかう国民性を持っています。

気の使い方から見る限り、
日本人の心の中には
気が一杯詰まっているに違いありません。
それを「気は心」というのです。
そういう意味では、日本人は情緒的な国民ですが、
同時に移り気でもあります。
忘れっぽくて恨みをいつまでも
かみしめていることなんかできないんです。

それに比べて、中国人が実利的な国民であることは、
どこを見ればわかるかというと、
漢字の中で一番たくさん出てくるのが数字なんです。
試みに大漢和辞典をのぞいて見て下さい、
一、二、三から始まって十まで、
更に、百、千、萬という数字のところに
出てくる慣用語の多いこと。
人の心も、人の行為も、
数で表現するとすぐピンと来るんですね。

一心同体、一獲千金、一刀両断、一日千秋から
三拝九拝、四分五裂、五臓六腑、七転八倒、九死に一生、
はては、千変万化に至るまで、
中国人は数の中で生活しているのです。
それもそれぞれの数字に意味があり、
両雄並び立たずというのもあれば、
四天王というのもあります。
これだけ数字に敏感だと、
どうしても銭勘定がしっかりしていて、
且つ性に合っていることがわかります。
損得で物事を判断する国民性と言って
間違いないでしょう。

毎月、東京を発って、
台北、香港を経て、中国大陸に入ると、
いやでも日本人と中国人の区別がはっきりしてきます。
顔を見るとみな似たり寄ったりで、
全然区別がつかないのに、
頭の中のソフトはまるで違うんです。
よく気のつく人と計算高い人の違いがよくわかります。


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