第121回
現代の諸子百家がつとまるためには

孔子の門弟は三千人と言われていますが、
白髪三千丈と同じように、
いささか誇大広告のきらいがありますね。
孔子に対して批判的な立場にある韓非子は、
「孔子は弟子が三千人もいたというけれど、
自分が計算すると、七十何人しかいなかった」
と言っています。

佐藤春夫先生も生前は孔子のひそみにならって、
門弟三千人と戯れておられましたが、
井上靖さんや檀一雄さんや五味康裕さんや
吉行淳之介さんなど指折りかぞえても、
大体、似たり寄ったりでしょう。
教壇の上から教えた学生を全部数え上げれば、
三千人どころじゃないという先生は多いでしょうが、
心から自分の師匠だと思ってくれる有能な弟子は
そんなにたくさんいるものではありません。
孔子も福沢諭吉も佐藤春夫も、
そのくらい弟子がいたら、
いい方としなければならないと思います。

私も世間から面白半分に
「お金儲けの神様」に祭り上げられておりますが、
自分では二十世紀から二十一世紀にわたる
春秋戦国時代を生きる
諸子百家の一人だと自負しています。
既成秩序が崩壊し、新しい秩序を目指して
変化して行く過渡期を生きているわけですから、
どういう生き方をすればよいか
考えなければならない点では、
二千五百年前と同じでしょう。

ただ孔子の時代といまの時代とどこが違うかというと、
二千五百年前は人間関係をどうするかが
最重要のテーマでしたが、
いまは経済がわからなければ、
人間関係も確立できない時代になったということです。
お金の話ばかりすると言うけれど、
お金の扱い方からお金の儲け方まで
ちゃんとした基礎知識を持っていないと
いまの世の中をスマートに生きて行くことができません。

お金の話をすると、
お金にガツガツして生きているように思われがちですが、
当今の思想家を勤めようと思ったら、
お金の動きに無知というわけには行かないのです。
孔子は「富貴在天」と言って、
お金に対してはお手上げでしたけれど・・・。


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