第124回
土地は財産でなくなってしまったかも

財産に対する私たちの常識が
そのままでは通用しないところまで来てしまいました。
「あの人は財産家です」と言われる財産家とは
お金持ちの人のことですが、
財産とは土地や建物などの不動産、
株とか国債、社債などの有価証券、
それから銀行預金とか、
タンス預金も含めた現金のことです。
金持ちの人はこのほかに、
書画骨董や宝石のような値打ちのある動産や、
売ればお金に変わる
自動車や家財道具の類も持っていますから、
お金のなかに埋もれて生活をしているようなものです。

高度成長の続いていた間は、
物価の値上がりが定期預金や郵便貯金の金利を
上回っていましたから、
少し利にさとい人なら、
自分の財産を担保にして銀行から借金して、
不動産や株などに投資していました。
担保があれば銀行は喜んでお金を貸しましたから、
財産家の財産の内容を見ると、
お金持ちの人ほど借金もあり、
資産が負債をカバーしてあまりがあれば、
「あの人は大金持ちだ」ということになっていたのです。

ところが、土地や株が
値上がりをしなくなっただけでなく、
逆に値下がりをはじめると、
借金は減らないのに、
財産の時価は年と共に目減りするので、
プラスとマイナスが逆転して、
うっかりすると、
全財産を処分しても借金が返済できないところまで
追い込まれてしまいました。
日本政府はそれを放置するどころか、
逆に地価や株価を政策的に抑えこんだので、
資産家の人ほどひどい目にあってしまったのです。
財産を持った人ほどお金に困るようになったのですから、
金持ちにお金を貸した銀行が
お金を返してもらえなくなって、
ピンチにおちいるのは目に見えています。
これでは土地は投資の対象でなくなるだけでなく、
うっかりすると財産でさえなくなってしまいます。
売ればお金になることは間違いないとしても、
自動車や家財道具と大して変わらない存在に
なってしまったような気もします。
一階建てか二階建てのところをこわして、
十階建て、二十階建てが建てば、
土地の稀少価値などなくなってしまいますよね。


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