第128回
もう一度、振り出しに戻って下さい

こんなに景気が悪くて、
物の値段が下がっている時でも、
人はインフレの心配をします。
量産がきいて、物がいくらでもできる社会になっても、
政府がドンドン借金をして、
いつかその返済のために
紙幣を濫発するのではないかと疑っているからです。

しかし、実際に起っていることは、
みんなが貯金をして銀行に預けているお金を
政府が借りて先に使っているだけのことで、
政府が代わりに無駄づかいをしなければ、
もっと不景気になっているかも知れません。
いくら政府にお金を借りられても、
貸したお金は銀行で眠っていることになっていますから、
インフレにならないですんでいるのです。

でもいつかはそのお金が目を覚まして、
いきなり全力疾走をするのではないかという不安は
常につきまといます。
生活物資は値上がりしないかも知れませんが、
航空運賃や公共料金は少しずつ値上がりをしています。
5年たち、10年たって見ると、
生活費はやはり上昇して
貨幣の単位は一桁ハネ上がっていることに気がつきます。
財産を現金という形で持っていることの不安は
人数の歴史と共に長いのです。

そうした潜在的な恐怖心がある上に、
銀行利息がゼロに近い状態になると、
現金が財産の中で占める位置は、
現ナマの強みが痛感されているにも拘わらず、
むしろ逆に後退します。
現金で財産を持っている人は、
いつも「これでいいのだろうか」
「もっと有利な運用の仕方はないものだろうか」
と悩みます。
現金の形で持っている財産は一向にふえないので、
俗に言う「お金を遊ばせている」ことになるからです。

土地で持っていても駄目、
現金で持っていても駄目ということになると、
あとは株ということになります。
しかし、株だって倍になることもあるけれど、
半分になったり、3分の1になることも
珍しくはありません。
簡単に言えば、みんな駄目だということになります。
財産づくりは「もう一度振り出しに戻って下さい」という
賽の目が出ているんです。


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