第160回
電話のかけ方でお国柄がわかります

私は年から年中、
国から国へととびまわっているので、
国際電話をかけるチャンスがたくさんあります。
でも私のような年齢の人間は
電話代は高いものだという観念が
頭の中に沁み込んでいますから、
必要なことさえ喋ったら、
すぐ電話を切ってしまいます。

ところが、いまの人はそうではないんですね。
これは国際電話のプリペイド・カードを売っている
若い社長からきいた話ですが、
外国から日本に出稼ぎに来ている人とか、
留学に来ている人は、仕事や学校が終って
夜、自分の住居に戻ってから、
毎晩でも家族のところへ電話をかけたくなります。
それも声をきいていることに意味がありますから、
つい長電話になってしまいます。

私の知っているその社長さんは
電話線を通る通話を圧縮して送る技術を考案して、
通常の3分の1くらいの値段でかけられる
プリペイド・カードを売り出しています。
そうしたらこの不況の中でもつきに3億円くらいは
売れるようになったそうです。
一番のお客は
夜の町で働いているフィリピンの女性で、
次が中国人の留学生、
それからブラジルから出稼ぎに来ている
日本人の2世、3世たちだそうです。

カードには千円と3千円と5千円の3種類あって、
高額のカードほど割安になっています。
実際には額面より
かなり割引されて手に入るようですが、
フィリピンの人には千円のカードが、
中国の人には5千円のカードがよく売れるそうです。
中国人は計算高くて、自制心がありますから、
長電話はあまりやりません。
だから割安のカードを買います。
ところが、フィリピンの人は情緒的ですから
通話料が底をつくまで電話をやめられないんです。
「ハイ、それまで」と言われれば、あきらめますが、
まだ電話がかけられると、
5千円使いはたすまでやめられないとのことです。
こういうところにも
国民性の違いがはっきり現われますから、
面白いですね。




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