第161回
言葉のハードルが解決できたら

電話が「声」の運び屋であるのに対して、
インターネットは画像に色までつけた
あらゆる情報の新しい伝達手段です。
現に私はこの「もしもしQさんQさんよ」を
移動する先々で書いていますが、
東京のコンピュータだけでなく、
北京にいても、上海にいても、
また香港や台北にいても、
コンピュータを叩けば、
その日のホーム・ページがすぐに出てきます。
そんなことは数年前には考えられなかったことだし、
私が述べたことに対してEメールで
すぐ反響がかえってくるのもはじめての経験です。

困ることは、日本語のわかる人はいいのですが、
日本語のわからない人には何を書いているのか
見当もつかないことです。
そのうちに中国語にも、韓国語やマレー語にも
同時に翻訳される時代が来るのでしょうが、
少なくとも現在の時点では
そういうソフトはまだありません。
ローマ字ならそのスペルによって
特定の意味が出てきますが、
漢字は一字一字に意味があるだけでなく、
全く違った意味を持つことも少なくありません。
その上、2字か3字集まると
全く違った内容になりますから
いまのところ異なる言葉に通じた
人間の頭脳にたよるよりほかないのです。

たとえば「日本語」という言葉は
そのままで中国人に通じますが、
英語になおそうとすると
日はSUNで、本はROOTで、
語はWORD、もしくはSPEAKになってしまうんですね。
これでは何のことかわからなくなりますので、
北京や上海の私のオフィスのマネージャーたちは
日本語のわかる秘書に翻訳をさせます。
そのコピーを見せてもらったことがありますが、
誤訳だらけなんです。
学校で習った日本語では
その言葉のできた文化的な背景がわからないので、
何のことだかとりつく島がないようです。
或る時、私が「猫もまたいで通る」と書いたら
どちらの秘書も翻訳しかねてアゴを出していました。

こういう場面にぶつかった時、
これは困ったと頭を抱えるよりも、
ここにお金になるパズルがあると考えるべきでしょうね。
情報化の時代になればなるほど
言語は最大の障害なんです。


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