第167回
ニュー・ビジネス創業者の泣き所

いまはニュー・ビジネスがオールド・ビジネスを
蹴散らして伸びるような話をよくききますが、
ニュー・ビジネスの成功の確率は
そんなに高いものではありません。

なかでもインターネットを使って
一獲千金を夢見ている若者たちは
創業への熱意と創意工夫では人に劣らないでしょうが、
世の中の仕組みと人々の行動原理に通じていないのと、
経営のセンスに欠けているために、
夢が実現しないままに終ってしまうケースが
多いのではないかと思います。

たとえばワイン・ブームになって
ワインがよく売れるようになったから、
インターネットを使って
ワインの無店舗販売をしようという動きがあります。
私のところへ送られてきた情報を見ると、
いくつかの銘柄のラベルのついた壜の写真と
市価に比べていくら安いかという
値段が表示してあるだけで、
ワイン業界の中でどういうランクづけになっていて、
何年物はどういうできになっているか、
一切の説明がありません。
ワイン・マニアでなくとも、
ワインに親しむようになった人はその人なりに、
ワインに対する知識を持っているものです。

そういう人たちを納得させるだけの説明がなければ、
ワインは売れるものではありません。
ワインを買う人よりも貧弱な知識で
ワインを売るソフトをつくっても
ワインが売れるわけがないのです。
専門の知識があって、
ワインを買う人の癖がわかっていて、
しかもどういう経営をしたら
採算にのせることができるかというセンスがなければ、
商売としては成り立ちません。
そもそもニュー・ビジネスを
どうやって軌道にのせるかということだって
経営のセンスを要求されています。

訓練によって
そういう経営センスが身につく人はよいのですが、
そうでない人は経営のセンスを持った人を
パートナーにもたないと成功できないでしょうね。
そこのところにいまの若い創業者たちの
最大の欠点があるように思います。    


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