第177回
窓をあければ大上海が見えます

上海と書いてシャンハイと呼びます。
英語でSHANGHAIと書いたら
何のことだかわかりますか、
英和辞典を引いて見て下さい。
・・・・を無理矢理水夫にする。
(酒などで意識を失わせ、船内に連れ込んで)
という意味から、
「無理にだまして仕事をさせる」
と注釈がついています。

戦前の上海は諸列強の租界がひしめく一大国際都市でした。
世界中からさまざまな人間が流れ込んで
合法非合法、思い思いの生活をしていました。
遠洋をわたって船がこの港に着くと、
船乗りたちが脱走するために
働く人がいなくなってしまうんですね。
仕方がないので、これはと思う男に目星をつけると
酒場でグデングデンに酔っ払わせて
船の中に連れ込んで出港してしまうんです。
そういうことが日常茶飯事だったので、
人をだまして船に引っ張り込んで働かせることを
SHANGHAIというようになったのです。

戦後は租界もなくなってしまったし、
共産党の天下になって外国との往来も途絶えてしまうと、
国際都市としての面目はなくなってしまいましたが、
中国人が外国人とふれあう最大の接点でしたから、
上海人は中国人の中でも
最も先進的な国際的センスを持った人たちです。
半世紀以上も鎖国形態が続きましたが、
上海人の国際センスは意識の底にかくれていただけで
絶減はしていなかったんですね。
開放政策と共に一挙に息を吹きかえしましたから、
経済の復興が一番早かったのも上海なら、
夜の町が一番早く明るくなったのも上海でした。
アメリカや日本に留学に行ったり、
移民する人も上海人が一番多いんですね。

上海の旧市内は黄浦江という河の西側にありますが、
東側の浦東地区が開発されて、
いまアジア一の一大金融センターになりつつあります。
そのド真ん中の上海証券取引所と
人民銀行(中国の中央銀行)の目と鼻の先に
私も27階建のビルを建てました。
上海にいる時は私はそのビルの窓から
勢いよく成長している大上海を眺めながら
空想にふけっています。


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