第178回
人の嫌う呼び方はやめましょう

中国のことを戦前、日本では支那と呼んでいました。
日支事変とか、東支那海とか、
別に悪意のある響きはありませんでした。
シナという言葉の語源は
SINOLOGY(中国学)のSINOでしょう。

磁器の世界的な生産地景徳鎮に行った時、
陶磁器のことをチャイナというのは、
景徳鎮が昌江という河の南にあって、
あれはどこでできたものかときかれた時に
「昌南」(チァンナン)と答えたのが
チャイナになまったのではないかと
土地の人から教えられたことがあります。
ヨーロッパの言葉ではチャイナとか、シノでとおって
別段、差別用語でも何でもないのに、
なぜか日本人が支那とか支那人というと
侮辱的にきこえてしまうのです。

多分、戦争中に中国を占領した日本の軍隊が
現地の人たちをシナ人とか、チャンコロとか、
口汚く罵ったりしたからではないでしょうか。
チャンコロとは漢字で書くと「清国奴」
清の国の奴隷という意味ですから、
明らかに侮辱コトバですね。
中国人や中国からの留学生が支那人ときいて
顔をしかめるのはそうした連想が働くからです。

それに対して支那とか支那人は
ジャパン、ジャパニーズと同じだから、
別に侮辱コトバではないと言い張って、
講義の時にも支那、支那人と言って
はばからない毛色の変わった大学の先生がいたりします。
学問の歴史を辿れば確かにその通りでしょうが、
言葉のもっている響きと内容は
時代と共に変化しますから、
多くの中国人がそれを差別用語として
嫌がるようになれば
それは差別用語と言ってよいでしょう。
アメリカに行ってジャプと言われて
気分を害さない日本人は少ないのと同じです。

言葉は生き物です。
育ち方によっては不良少年に育つこともあるのです。
その語源がどうであろうと、
人の嫌がる言葉に育った言葉は使わないことです。
中国人と呼んで相手が喜び、自分が損をしないのなら、
中国人と言ったほうがいいですね。
みんな仲好くやることにしましょうよ。


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