第231回
デザイン・センターは東京に

たとえば、ユニクロはコストの安い中国で
若い人向けのカジュアルの衣料品をつくって
日本で売って大儲けをしていますが、
その企画やデザインは
日本人のセンスで日本でやっています。
日本人でなければ、日本人の好みもわからないし、
手頃な値段がいくらなのか見当もつかないのです。

これから生産設備と特殊なパーツは日本がつくり、
完成品は中国から輸入するようになるということについては
前にも述べました。
このことは衣料品にもあてはまります。
したがって日本人の着る衣料品の大半が
中国から輸入されるようになるだろうことは
既に視界に入ってきています。

衣料品の商売をやる人も、デザインを考えている人も
そういうことが念頭にないと、
これからの世界を生きて行くことができません。
しかし、中国がファッション商品の
最大の供給者になるからと言って、
中国でできた物を買ってきたり、
中国でデザインすればよいと思ったら、
恐らく大きく間違えてしまうことになるでしょう。

私はたまたま中国に何百店というチェーン組織を持った
衣料品のメーカーともつきあいがあるし、
また日本で何百億円という売り上げをしている
販売業者ともつきあいがありますが、
中国の業者には日本のデザインを取り入れることをすすめ、
日本の業者には加工を中国でやることをすすめています。

その場合、工場は上海におき、
デザイン・センターは東京におくことが望ましいことは
言うまでもありません。
むろん、中国や香港にも
未来を背負う新進デザイナーが輩出していますが、
デザインに関する限り日本にまだ一日の長があります。
いまのところ、日本の人気デザイナーの作品は
中国でも通用しますが、
その反対はまだちょっと無理でしょう。
となると日本の大御所的存在のデザインより
新進気鋭のデザインの作品の中から選ぶことになります。
ファッションについても、
企画本部と工場は別れ別れになることは
避けられないようですね。


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