第264回
プロ向けスーパーに買物に行こう

デパートに残された最後のとりでは
もっとも人だかりのする食品売場です。
食品売場だって本当はスーパーに安売りをかけられて
気息庵々だったのですが、消費者の高級品嗜好のおかげで
完全に息を吹きかえしました。

物を買う人は減りましたが、
いくら不景気になっても、おなかは減るんです。
景気が悪くなって使えるお金が少なくなれば、
食べる物も安い方がいいんですが、
食べる物まで節約することはないと考える人も多いんです。
殊に年寄りがふえてくると、食べる量が減りますから、
少々高くてもおいしい方がよいと思う人がふえます。
デパートの食品売場のお客が減らないのは、
デパートの方がスーパーより
高級品を売っていると思われているからです。
高級な生鮮食品や、有名店が軒を並べていることは
デパートの最大の強味です。
売上げはそんなに伸びないけれど、
また儲けもそんなにないけれど、
もっとも手堅い商いのできるのは食品売場だと思います。

しかし、油断は禁物です。
レストランや料理屋などの
プロ相手の食材を専門に売っている
ハナマサのようなプロ向けスーパーが
繁華街のド真ん中の銀行の閉店した跡に
次々とプロ用スーパーを開店しはじめています。
これまた24時間営業で、
ワンストップで肉、魚、野菜から
凡そ料理に使うものは何でも揃ってしまいますから、
朝早く起きて築地まで
買い出しに行く必要がなくなりました。
夜お店をしめてから、ちょっとハナマサに立ち寄って
必要なものを注文しておけば、
翌朝、店に出る前にとりに行けば間に合ってしまいます。

値段はスーパーより3割は安いから、
普通のお客でもまとめ買いをする人なら
1万円かかるところが7千円ですんでしまいます。
経済観念のある人なら、スーパーやコンビニに行く代わりに
ハナマサに行くようになるでしょう。
デパートもスーパーもうかうかできません。
プロ用のスーパーが一般スーパーの上客を
狙いにかかっているのですから、
食料売場も虫食いになってしまいます。


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