第285回
現地採用でもやる気がありますか

日本の会社は社員を海外に派遣すると、
日本でもらっている本給のほかに
海外勤務手当というのを支給します。
かつて日本より生活費の高かった
アメリカやヨーロッパに赴任すると、
海外手当がプラスされなければ
人並みの生活ができませんでしたが、
いまのように日本が世界一物価の高い国になってしまうと、
海外に派遣される日本人は
王侯貴族みたいな生活ができます。

同じ日本人でも現地採用というのがあります。
給与は現地の人並みか、
場合によってはそれ以下ということもあります。
現地で採用するのですから、住宅手当も支給されません。
それでも現地の人並みの暮らしができるわけですから、
現地採用に応ずる日本人は結構あります。
自分からすすんでアメリカに行き
アメリカの大学を出て、アメリカで暮らしたいと思えば、
それでもガマンするよりほかありません。

台湾や香港や中国やあるいは東南アジアの国々に行っても
同じことが起ります。
たとえば、私の上海の日本語学校で
日本語を教えている先生たちはみな現地採用です。
生徒からもらう学費が現地の水準ですから、
先生のもらう報酬もそれに準じてきまってしまいます。
それでも何かとガマンできるのは、
他に目的があるか、町に愛着をもっているからだし、
少ない収入でも現地の人並みか、
それよりは少しましな生活ができるからです。

その代わり一生の仕事として長く勤める人は
あまりありません。
日本に帰るか、
現地で新しい仕事を見つけて就職するからです。
派遣社員として現地に赴いた人が
現地で独立することもありますが、
現地で骨を埋めてもよい覚悟の人は
むしろ現地採用からはじめた方がいいでしょう。
会社に甘えることもなく、
会社に一生つとめるわけでもなく、
仕事を覚えるために働くのなら、
一番下からよじのぼる方がスピードがつきます。
それだけの根性があれば海外で成功者になるのは
そんなに難しいことではありません。


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2000年12月20日(水)

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