第294回
改革の遅れた業界ほど効果はテキ面

日本の観光旅行に来ている外国人が
100円ショップやユニクロで
盛んに買物をしているのを見たら、
お土産屋さんだって
少しは頭の切りかえをしてもよいのではないでしょうか。
前にオーストラリアに行って、
メルボルンのお土産屋でどこも毛糸を機械で編んだ
ゴワゴワしたセーターを売っているのを見て、
こんなもの買って帰っても、1ぺん袖を通したら
それでおしまいだろうねと思ったことがありました。
いくら羊毛の特産品だと言っても、
人が着たからない野暮ったいデザインでは
お客にふりむかれるわけもありません。
お客が何を欲しがっているか、
どんなものなら喜んで買ってくれるのか、
研究すれば、それだけで情勢は一変してしまいます。

古色蒼然として、改革が遅れ、
時代から取り残された分野ほど、
改革に成功すれば、稔りは多いのです。
たとえば、お茶は食料品のなかで
最も近代化の遅れた分野でした。
1年に1回新茶を摘んで加工をしておけば、
かなり高い値段で売り捌くことができたので、
お茶の問屋は楽に年を過すことができたのです。
問屋の数も大体きまっていたし、
猛烈な競争をする必要もなかったので、
それが近代化を遅らせたのです。

外国のお茶が輸入されたのと、
烏龍茶のカン詰めが普及しはじめたのとで、
様相は一変してしまいました。
新しいライバルはいつも異業種から現れます。
いまは業界で押すに押されぬ存在になった伊藤園も
創業者は幼稚園用のバスのセールスをやっていた人です。
他の業界から見ると、
体質の古いお茶の業界はスキ間だけなんです。
生産から最終販売までの間にかなりの利幅があることが
新しい侵入者を可能にさせるのです。

それと同じことがお土産屋さんの世界についても言えます。
観光地の小さな商売ですが、
お客の方が来てくれるのですから、
お客が喜んでお金を払ってくれそうな土産物を
工夫すればいいのです。
古い習慣にとらわれないことが何よりも大切なんです。


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2000年12月29日(金)

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