第335回
技術とノウハウで競争できますか

成都でイタリア料理屋をやったら
いいんじゃないかというのも1つのヒントです。
そのヒントになったのはシロウト考えで
成都にピザハウスをひらいた人が大当りをとったからです。

しかし、人が大当りをとったからといって
人と同じことをやったのでは成功できるとは限りません。
中国人は商人的機敏さを持っていますから、
他人の真似をしたり、そっくりコピーすることなら
得意中の得意です。
成都のイトーヨーカ堂の5階に、
東京のハナマサに教えてもらって
食い放題の焼肉屋をつくったことがあります。
食い放題で一人前48元でスタートしたところ、
行列をして盛況をきわめました。

それを見て、見様見真似で周辺に
食い放題の焼肉屋が何軒もできました。
10元安くして38元と値をつけたので、
見る見るお客を奪われてしまいました。
対抗上、やむを得ずこちらも38元に値下げをしたら、
もともと内容もサービスも違いますから、
またお客が戻ってきましたが、
儲けは48元と38元の差のところにありますから、
いまもタダ働きに近い業績しかあがっていません。

イタリア料理屋ならいいと言っても、
繁盛している店より安い値段をつけて
その客をとろうという魂胆ではダメです。
もっと味がよくて、もっとサービスがよくて、
もっと本格的な料理で勝負をしなければ、
異郷で仕事をする意味がありません。

中国のような商人的気質の強烈な国で
外国人が進出して成功するためには、
いくら真似をされても真似できないだけの
技術やノウハウがないと生き残れません。
中国に進出した日本の建設会社が
見るべき成果をあげていないのに比べて、
自動車や家電や半導体のメーカーが
かなりの業績をあげているのは、
真似をしてもそう簡単には真似のできない
技術やノウハウがあるからです。
サービス業にもそういう優異点がないと
やって行けないでしょうね。


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2001年2月8日(木)

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