第336回
同じことは二度あるとは限りません

いま中国の経済は大へんな勢いで成長しています。
成長していると言っても、
日本人から見ると、池田所得倍増内閣が終って、
昭和39年の日銀特融のあったリセッションを乗りこえた
昭和40年代のはじめの頃に似ています。

それならば、昭和40年代の日本に何が起り、
またどんな商売をやった人がお金を儲けたかと思い出して、
それと同じことをやれば成功できるぞと思いたくなります。
事実、そういう面もかなりあります。
たとえば、日本では経済の成長に伴って
大都市とその周辺の不動産は大へんな値上がりをしました。
もしそれと同じことが中国でも再現されるなら、
上海や北京に行って、ビルを建てたり、
マンションを買ったりしたら大儲けできるのではないかと
誰でも思ってしまいます。

私も日本とそれに続く台湾の高度成長で、
土地の値上がりを2回体験したので、
きっと中国でも同じことが起るだろうと
考えたことがあります。
しかし、実際に起ったことは、不動産の大暴落であり、
香港や台湾やシンガポールから乗り込んで
不動産投資に従事した華僑の人たちは大損をしました。

政府に計画性がないのと、
国営の不動産会社が採算を無視して参入するので、
不動産の価格は3分の1まで、
家賃は10分の1まで下がってしまいました。
その上、建ぺい率をいくらでもふやして
天まで届くような高層建築を許可するので、
土地の希少性なんか
糞食えということになってしまいました。
不動産の値上がりを見越して先回りをして
マンションを買った人は、私も含めて大損をして
まだ立ちなおっていません。

だから日本や台湾の経済成長時代に起ったことは
中国にも起るとは限りません。
くりかえして起ることとくりかえしては起らないことと
2通りに分かれてしまいます。
そのへんのところをうまく心得ていないと、
海外投資は難しいですね。
難しくても私などは尻込みをしたりしませんが・・・。


←前回記事へ

2001年2月9日(金)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ