第339回
別荘持って別荘不要論者になりました

昔、日本でも別荘を持つのがハヤッたことがあります。
経済成長で日本国中がうるおい、
みんなが少し生活にゆとりのできた頃です。
私も友人に誘われて、軽井沢に別荘を建てました。
建築費の一部を銀行が住宅ローンで貸してくれました。

別荘を持つと何となく
金持ちになったような気分になります。
ついつい友だちにも遊びに来ませんかと声をかけます。
大抵の人は遠慮しますが、
子供たちの小学校の先生などは
遠慮することを知りませんから、
自分の子供まで連れて押しかけてきます。
3度3度、食事の用意をさせられるのはかまいませんが、
自分たちの寝たフトンまで
こちらに片づけさせるのですから、
うちの家内など東京にいる時よりも忙しい思いをさせられ、
休養どころか、ぐったり疲れて気の毒でした。

はじめは虚栄心を満足させ、気分も爽やかですが、
休みの度に同じところに行くようになると
だんだんあきてきます。
しかも柴田錬三郎さんが
「軽井沢は本妻の町」と文芸春秋に書き、
男たちは妻を避暑という名目で軽井沢に追いやり、
自分たちは銀座で遊び歩いていると書くものだから、
私が東京に用を足しに戻るというと、
私も用事がありますと、
家内まで私について東京に帰ります。

こんな別荘を持っているくらいなら、
別荘を売りとばして東京にマンションを買って人に貸し、
その家賃で1年に何回か、
好きなところに旅行に行った方がいいと考えなおして、
それを実行に移しました。
旅行に行くくらいのお金は
別にマンションの家賃にたよることは
ありませんでしたので、
別荘にしばられないですむだけ自由の身になりました。
別荘を持って不自由な思いをした経験から、
それ以来、別荘不要論者になり、
どうせ行くなら外国のどこでも
好きなところへ行くことにしました。
ついでに国内のリゾート開発にも
採算に乗らないだろうと反対にまわり、
今日に至っています。
きくところによると国内のリゾート開発業者も
いよいよ倒産に瀕しているそうですね。


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2001年2月12日(月)

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