第410回
家は消耗品と思って下さい

家と自動車には実際に役に立つというほかに
ソーシャル・ステイタスのシンボルという面があります。
お金持ちになったり、社会的地位があがると、
それに見合う立派なお邸とか、
グレードの高い車に変わります。
逆にその人の住んでいる家や乗っている車を見て、
その人の値踏みをするという面もあります。
従って奮発をして、時には借金までして
豪邸や高級車を手に入れる人もあります。

高級車はどんなに高価なものでも、耐久消費財であり、
消耗品であることは誰でも知っています。
一ぺん、地面に下ろしてタイヤをよごしたら、
買った値段から30%は値下がりします。
使う度に値下がりして、最後はポンコツになります。
時価はあるけれども、財産と思う人はないでしょう。

そういう人でも、土地や家となると
前にも述べましたが、つい財産と思ってしまいます。
とりわけ成長経済の時代には、
時と共に土地が値上がりをしましたから、
自分の住んでいる家を財産と思ってしまいます。
またそれを前提として固定資産の対象にもなっているし、
遺産相続税の対象にもなっています。
しかし、よく考えてみると、
自分の住む家は人に貸せば別ですが、
収入をもたらしません。
収入どころか、維持費もかかるし、
修繕費もバカになりません。

その上、個人所有の建物は
減価償却を認められていませんので、
所得から経費控除ができません。
建物の値打ちは年々下がるのに、
地価まで下がるとなれば、
借金をして手に入れるべきものかどうか疑問です。
家も自動車と同じように消耗品で、
売る時は残存価格で処分するものだくらいに考えないと
とんだ思い違いをすることになりかねません。

それでも住む家は生活必需品の中で
恐らく最も大切なものですから、
はたしてどう考えたらいいのか、
またどういう選び方をするのが正しいか、
自分なりに納得のできる答を出す必要はあると思います。


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2001年4月24日(火)

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