第455回
次の成長産業はサービス産業です

お金を持っているのに、物を買うのに使わないとすれば、
どうしますか。
少し前までは定期預金にしておけば、
年に6%の利息がつきました。
どうして6%も利息がついたかというと、
預金している本人が使いたくてたまらなかったお金を
ガマンして貯めておいたものだったからです。
またそのお金を借りて商売をした人は
6%以上の利益をあげることが
比較的たやすくできたからです。

いまは定期預金の利息はタダに近いような低い利息ですが、
使いたくとも欲しい物がほとんどありません。
そのお金を預かっている銀行も安心して
お金の貸せる相手がおりませんし、
借りる側にしてもちゃんと利息が
払えるようなお金の儲かる商売がありません。
金利にもならないのに、
それでも銀行に預ける人が減らないのは、
家のタンスの中に蔵い込んで、
空巣狙いにとらわれるよりはましだからです。
もはや金利をあてに貯金をしている人はおりません。
定期の満期になった日にパン屋によって
明日食べるパンを3つ買って帰りました
というのがいいところでしょう。

それでもジッとお金を銀行や郵便局に
寝かせたままにしておくことに抵抗を感ずる人は
たくさんおります。
使わないお金なら
何とか別の方法でふやせないものかと考える人は、
株を買ったり、投信を買ったり、
もう少し効率の高い投資方法を研究します。
またいつも節約、節約と言い続けてきた人でも、
時間がたつとだんだん節約疲れをして、
そのうちに辛抱しきれなくなってきます。

しかし、物はもう足りているのですから、
物を買うのにはお金を使いません。
お金を使うとすれば、遊ぶことか、
食べることかでなければ、
旅行をすることくらいなものでしょう。
形のある物を手に入れて帰るよりも、
身体で体験して、
「ああ、楽しかった」と満足して帰ることに
喜んでお金を払うのです。
物資的な充実感にあきてしまった人たちに
喜んでもらう方法はもっといいサービスを
提供することくらいしか考えられません。


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2001年6月8日(金)

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