第467回
世界不況でもこちらは大丈夫です

またまた脱線しますが、今回の視察旅行の直前に、
実は私の台湾の「財訊」という雑誌の
社長、副社長、編集長を伴って、
広東省の深とそのすぐお隣の東莞、番禺の工場地帯を
一走りしてきたのです。

なぜ急に思い立って
香港から広東省を入りをしたかというと、
脱工業というか、工業生産の衰亡の激しい日本に比べて、
中国はいま工業化がフルスピードで進行中であり、
なかでも広東省は
台湾の工場の大移動が行われているところだからです。

台湾のケミカル・シューズのメーカーで、
広東省に進出した大手は
一社で5万人の職工さんを使っています。
アメリカのNIKEをはじめ
有名ブランドのOEMをやっているのですが、
工業団地を自社で造成し、
樹脂加工や包装紙や金型の生産工場まで
自社で経営しています。
発電所はもとより工業用水のダムまであるのですから、
日本でも見られないようなスケールの大きな建設です。
また番禺というところで、
アメリカの有名ブランドの
皮靴のOEMをやっている工場は、
これも12年前から進出しているのですが、
6000名の従業員を使って
月に100万足のカジュアル・シューズを生産しています。
資本と技術は台湾から、
従業員は貴州省とか四川省とか甘粛省とかからで、
現地の人はほとんどいません。
みな宿舎に住んでいて、
私は工員さんたちが行列をして
夕食をとっている光景を見せてもらいましたが、
あれを一目見ると、
世の中がどんな変わり方をしようとしているのか、
衝撃的な印象を受けるでしょう。

台湾からの進出企業はOEMに徹していて
自社ブランドなど全く考えてもいません。
アメリカの有名ブランドは
自社生産を断念して専ら販売に力を入れています。
仕入値段の4倍から6倍が小売値段ですから、
販売をする方が儲かるんです。
でも生産基地は完全に中国に移ってしまいました。
アメリカが不景気になったら、
輸出がストップするのではなくて、
アメリカ製の高い物が売れなくなることが
はっきりわかりました。


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2001年6月20日(水)

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