第469回
通信サービスの業界でも最先端へ

もう一つ驚いたのはITの分野で、
世界的な評価を受けている
華為技術有限公司の本社をたずねて、
通信設備の生産工場を案内してもらった時です。

こんなモダンで気のきいた、
しかもお金のかかった本社や社員宿舎を、
のような新開地で見るなんて
想像してもいませんでした。
しかもそれが任正非という人前に姿を現わすことを嫌う
兵隊上がりのことし56才になる経営者の頭脳によって
生み出されたものときいて、
すっかり度肝を抜かれてしまいました。

華為公司の開発した大容量電路交換設備は
ドイツ、ロシア、ブラジル、泰国、香港など
30あまりの国や地域に輸出され、
IBNやテキサス・インスタルメントやサンをはじめ
世界中のコンピューター・メーカーと
技術提携が行われています。
どのくらい世間から
受けいれられているかを知りたかったら、
会社の業績を見たら一目瞭然でしょう。
たとえば
99年の売上げが
人民元69億元(1元13円)であるのに対して、
2000年は142億元、
利益は13億元から29億元にふえています。
面白いことに税金をいくら払ったかも
会社案内に記載されていて、
99年度の12億7千万元に対して
2000年度は27億8千万元ですから、
恐らく中国でトップの納税企業でしょう。

更にびっくりするのは、国の資本は一切なく、
オーナーのほかは
会社が社員株主で成り立っていることです。
ITやバイオが頭脳の産物であり、
利益率の高い業績であることもありますが、
従来の国営企業とは全く異質の新しい組織です。
それがオリンピックの金メダルだけでなく、
学問やその企業化の分野でも
基本的な結晶を見せつつあるのです。
「台湾の資本と技術は恐らく雪崩を打って
 中国大陸に大移動をすることでしょう。
 早くにそれを実行に移した企業は
 既にかなり成績をあげているのですから」
というのが私たちの雑誌社の幹部たちの
一致した意見でした。
日本の経済界はどう対応するのでしょうか。


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2001年6月22日(金)

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