第470回
中国でも家電ブームの時代は一段落した

もう一つ気にかけていたことがあります。
それは既に過剰生産におちいっている
中国の家電メーカーは、過剰生産をどう調整し、
業界の過当競争に
どう対処するのだろうかということでした。
そのためにテレビ生産、第2位にランクされる
KONKAを訪ねて話をききました。

何しろ10年前は
程度の悪い白黒テレビしかつくれなかった中国で
2000年度は3千100万台も
日本に遜色のないカラーテレビを
生産するようになったのです。
21インチのカラーテレビが
千元(1万3千円)を割って売られているのですから、
いくらコストの安いメーカーでも
大赤字になってしまいます。
家電メーカーのA株は下がりませんが、
B株やH株は大下がりに下がっています。
会社の業績はB株やH株の将来に
大きな影響がありますから、
私たちのような外国人投資家にとっては
無関心でいられないことです。

結論から言えば、これだけ大量の電器製品を
大量且つ安いコストでつくりあげる人材や地域は
ほかに見当たらないから、
少なくとも当分の間は、中国がテレビだけでなく、
電気冷蔵庫やクーラーなどの生産基地として
世界中に完成品を提供するようになることは
既定の路線です。
日立や東芝でも、
アメリカの靴のメーカーがそうであるように、
中国にOEMでつくらせて、
自分たちのブランドで売る時代が来るでしょう。

その過程で、中国もドンドン豊かになりますから、
家電製品の市場はあっと大きくなるでしょうが、
在庫に悩まされるのと、競争が激化することで、
利益はそんなにあがらなくなります。
貸借対照表で見る数字はきれいでも、
テレビの売り上げをカバーできるだけの
成長商品を開発できない限り、
不良在庫はふえ、
家電メーカーの高収益性は頭打ちになるでしょう。
ということは、家電メーカーの1位、2位は残るけれども、
成長産業としての魅力は
かなり後退すると見た方が安全です。
下がった株をコツコツと拾って、
上げたら売ればよいということです。


←前回記事へ

2001年6月23日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ