第481回
私ならベテランなんか使いません

私は新しいことをはじめるのに、
プロの人の意見をきくより、
アマチュアだが、創意工夫をする人の意見を尊重します。
プロの持っている知識は過去のものであり、
そのままやったのでは何の新奇性もありません。
人のやってきたことと同じことをやるだけで
終わってしまいます。

そこでその仕事についてはシロウトだが、
仕事熱心で、あれこれ工夫する人を抜てきします。
うちの台湾の出版社には
現在300人の社員が働いていますが、
その社長をしている者は社長になる前は、
中華レストランのマネージャーでした。
マネージャーをする前は
うちの証券会社の経理部長でした。
またうちのインテリア施工会社の総経理は、
多い時は600人とか800人の職人を動員して
デパートの上から下まで同時に施工していますが、
施工会社をやる前は私の運転手をしていました。
頭がよくて物事に柔軟に対応できれば、
仕事くらいすぐ覚えるし、
あッという間にその道の専門家になってしまいます。
生まれた時からその道のクロウトというのは
どこにもいないのです。

だから私は新聞記者あがりを
私の出版社に使うことはありませんし、
証券会社あがりを
株式投資の責任者にすることはありません。
ところが、人の会社に
人材の紹介をしてわかることですが、
大抵の人は経験者を採用したがるのですね。
ついこの間も、
縫製工場の工場長になる人を見つけてくれと
上海の会社にたのまれて、
30才くらいの若い工場長経験者を推薦しました。
小さな工場で工場長として
一通りのことができるのですが、
日本では縫製業は斜陽産業ですから、
どんなに努力してもだんだん後退する宿命にあります。
いっそ上海で働きなさいと私は薦めたのですが、
採用する方は若すぎると言って難色を示しました。
若ければ、元気があって、覚えるのも早いのに、
どうして古くて融通のきかない人を
欲しがるのでしょうね。
私ならベテランなんか使いませんけど。


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2001年7月4日(水)

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