第499回
個人が海外で運を試す時代です

出稼ぎというのは貧乏なところから金持ちのところへ
働きに行くことを言います。
たとえば、東北地方から東京に
季節労働者として働きに来るとか、
九州から阪神地帯に出てくるのが常識でした。

国際間では、中国やベトナムやフィリピンから
アメリカに行くのが当り前で、
その逆のコースは考えられません。
バブルの頃、中国から日本に
就学生名義でもぐり込む光景もありましたし、
またブラジル生まれの日本人の2世3世が
日本に働きに来る姿も見られましたが、
その逆を行く話はあまりきいたことがありません。

労働力は賃銀の安い地域から
賃銀の高い地域に移動しようとしますが、
資本は逆に賃銀の高い地域から賃銀の低い地域に流れます。
いずれもお金の儲かるチャンスを狙って動くのですが、
資本が動く場合は資本の運営監督をするために
人がついて投資先に行きます。
その場合は資本の安全を守るためですから、
人数は限られますが、給与は本国にいる時よりも
多いのが普通です。
こんなケースを出稼ぎとは言わないかも知れませんが、
かつて植民地を支配するために派遣されてきた白人並みの
「黄色い白人」と思ったらいいでしょう。

ところが、そういう時代もやがてすぎようとしています。
成長経済の時代が終わって、
本格的なデフレの時代になると、
コストをさげないと物が売れなくなりますから、
メーカーの大移動がはじまりました。
日本のメーカーが中国へ移動する動きは
ますます激しくなるでしょうが、
進出した日本の企業が常に優位に立つとは限りません。
OEMで日本やアメリカの有名ブランドと
チームを組む動きも出てくるし、
個人がその中に割り込むチャンスもふえてきます。
企業単位で考えるより、個人が海外にとび出してきて、
自分の運を試すことが多くなります。
どこの国の人が優位に立つということではありませんが、
日本人としての特長がいきるような分野であれば、
もっと有利な展開ができます。
個人が海外で運をためす時代になってきたのです。


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2001年7月22日(日)

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