第505回
心機一転には引越しが一番です

私が東京に住むようになってから50年近くたちました。
その間に自分の家を5回かわりました。
いま住んでいる家は昭和44年からですから、
もう30年近くたちます。
14年前に同じ敷地で家をこわして
新しく建てなおしていますから、
それもあわせると6回になります。

50年に6回ならそんなに多いうちには入らないでしょう。
私の知っている人の中には
2年に1ぺんは引越しをしないと気がすまない人がいます。
奥さんも慣れたもので、次の引越しのことも勘定に入れて、
引越しの時にナイフやフォークやお茶碗などを入れる箱や
包装紙も捨てずに保存しています。
「オイ、引越しだ」とご主人が言い出しても、
文句一つ言わず、
「ハイハイ」
とすぐに引越しにかかる準備ができているのです。

私がこの30年間、家を建てかえただけで
同じところに落着いていられるのは、
引越しに興味を持たなくなったからではありません。
それどころか、
3日に1回の勘定で飛行機に乗っているですから、
年をとるにつれて
ますます落着きを失っていると言ってよいでしょう。
その私が東京の家の引越しに関心を持たなくなったのは、
東京の家が
私の住む家の1つにすぎなくなったからであって、
この30年間に、自分の住む家も含めて毎年のように
日本国内はもとよりのこと、
台湾、香港、中国、アメリカの各地で、
ビルを建てたり、家をつくったり、
もしくは他人のつくった物を買ったり、
私なりの普請趣味を満足させて来たからです。

「大名には普請趣味の人が多い」と言われていますが、
大名だけということはありません。
変化を求めるのは人間の願望の1つで、
一番手近に誰にでもできることはアパートの引越しです。
家財道具の少ない時ほど身軽にできるものですが、
身動きができないほど根が生えてしまった人でも、
心機一転して生きるためには
とてもいいきっかけになります。
とりわけ不景気な時は
引越しにいいシーズンだと思いませんか。


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2001年7月28日(土)

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