第510回
空中権の利用で東京は一変します

私は東京に住む前は香港に住んでいましたので、
東京で家を買うことになった時、
どうして日本では土地の上の空中権を
うまく利用しないのだろうかと不思議に思いました。

香港は土地の狭いところに
700万人近い人が住んでいるので、
狭い土地をうまく活用して、
できるだけ多くの人に
住むスペースを提供するよりほかありません。
そのために土地の容積率は面積の15倍あります。
空地を50%は残さなければなりませんので、
建物は30階建ということになってしまいます。
遠くから見ると、鉛筆みたいな建物になっているのは
こうした建築法規によって建てられているからです。

日本人から見ると、
日照権はどうするんだということになります。
香港は熱帯にあって陽が当りすぎて困るところだから、
そういう心配をする人はおりません。
それでも陽の当たらない所ができてしまいますが、
そういうところは商店街にするとか、
昼間でも電灯をつけているオフィスにでも
使ってもらうことになります。

また香港は地震のないところだから、
それでいいかも知れないが、
日本のような地震国では通用しないという意見もあります。
私に言わせれば、もし地震が心配なら、
耐震構造の高層建築にしたらどうでしょうか。
日本人は研究熱心だし、
すぐにも柔構造の建築工法を考案するでしょう。
その結果、鉄材を
もっとたくさん使わなければならないとか、
新しい建材が必要だということになったら、
新規の需要を喚起することになって
景気を一段と刺激するようになるのではないでしょうか。

それを建築基準法という
明治生まれの法律でしばったばかりに、
東京は環状線の中でさえ面積の100%とか150%しか
家が建てられないところが多く、
平屋の建物が郊外へ郊外へと拡がって行き、
通勤をするのに1時間も2時間もかかる首都が
できあがってしまったのです。
デフレになったおかげで、
いま漸く古いしきたりに
メスが入ろうとしているところです。


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2001年8月2日(木)

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