第525回
あなたは海をこえられますか

一番地の果てにあたる
ウルムチやカシュガルに行きませんかと
オドカシみたいな提案をしましたが、
何もそんな遠くまで行かなくとも
やれる仕事はいくらでもあります。

いま台湾は日本のあとを追って、
日本に負けないくらい白けた大不況の中にいます。
陳水扁さんが総統に就任した1年前、
1万元していた株価平均が4千元までおちています。
借金の返せない企業がふえて、
銀行も山なす不良債権で喘いでいます。
失業者も5%に近づきました。
とくに好況続きだったコンピュータ関係の首切りが
目立っています。

コンピュータ関係はアメリカへの輸出が大半ですから、
コスト・ダウンをきびしく要求されています。
そのために労働集約的な業種だけでなく、
先端産業も率先して大陸に工場を移しています。
私はそうした情況を知るために
広東市の東莞市や江蘇省の昆山市まで
台湾企業の移転先を見学に行っていますが、
コンピュータの大規模工場の移転だけでも
100社はくだらないでしょう。
台湾から大陸に進出している企業は
大小あわせて3万社に及ぶと言われています。

当然のことながら、
台湾の失業率は上昇の一途を辿っています。
少し前までは台湾の企業が大陸で働く人を募集すると、
台湾の月給のほかに50%割増の報酬を要求されました。
それでも働く側から恩を着せられたものです。
最近、台湾の雑誌が若者たちに
「大陸で働くチャンスがあったら、行くか」
というアンケートをとったら、
何と80%あまりの人が行くという答えを出しました。
たった1、2年で台湾の若者たちの風向きは
一変してしまいました。
台湾の人たちは
もともと大陸から移民してきた人たちの末裔ですから、
移民することに苦痛なんか感じないんですね。
アジアの大きな変化の中で台湾の人たちは
何とか生きて行けることは間違いありませんが、
さて皆さんはどうでしょうか。
日本人ももとはと言えば、海洋民族ですけどね。


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2001年8月17日(金)

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