第526回
一握りの不足する人材を目指せ

いま日本国中が物あまりで苦しんでいます。
物があまると、物をつくる必要がなくなるし、
物も売れなくなりますから、仕事がなくなります。
企業が余剰人員の整理にかかりますから、
失業がふえます。
私は日本でもいずれヨーロッパ並みに、
失業率が10%をこえる時代が来ると見ています。

しかし、物があまっている時でも、足りない物があります。
また人があまっている時でも、足りない人材があります。
欲しがられているのに、供給の不足している物や人材は、
こんな困難なご時世でも引っ張り凧なのです。

デパートで物が売れずに困っている時に、
新しく銀座にオープンしたエルメスに
長蛇の列のできている風景は、
最高級品はいまも供給不足ということでしょう。
同じことですが、供給不足の状態においてあるから、
最高級品としての名声が
維持できているということでもあります。
これはデフレ時代を上手に生きるヒントになります。
デフレになると、物が売れなくなって値が下がりますから、
付加価値が消えてなくなります。
次の新しい付加価値をつくるためには、
もっと安くできる工夫をして、
安い値段でも儲かるようにしなければなりません。
工賃の安い中国に工場の大移動が起っているのは
このためです。

もう1つは皆が安売りに追い込まれている時に、
安売りをしないでもやって行ける方法を考えることです。
永田農法のトマトやパインや栗などもその一つですが、
ファッション製品や腕時計やアクセサリーにも
そういうイメージで成り立っている商品がかなりあります。
もちろん、全体から見たらほんの一握りにすぎませんが、
一握りを志すことがこれからは大切なことなのです。

とりわけこの困難な時期には
困難を乗りこえる能力を持った人材が要求されています。
能力はともかくとして、人材を志す人は
先ずそうしたパイオニア精神を持つことですね。


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2001年8月18日(土)

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