第592回
学生時代に諸国武者修行はいかが

私にeメールをくれる若い人の中には留学に行ったり、
海外旅行に行って知り合いになった人と親しくなって、
それが奇縁で外国で仕事をするようになったり、
外国と仕事をするようになった人がたくさんいます。

そのなかには私に仕事の世話をしてくれませんかと
頼む人もありますが、
同じように私に就職を頼むほかの人の履歴書や身上書と
見比べて見ると、
人より気軽に遠くまで動いた人の方が
世間をいい角度から眺められる立場にありますし、
また考え方もちゃんとしているなあという印象を受けます。
学生時代に休学をして外国に2年留学していたとか、
バイクに乗って印度や北アフリカを一周したとか、
要するに自己主張のある学生時代を送る人は
昔に比べてうんとふえてきています。

そういう人が一流企業に就職しようとすると、
減点になるせいか、
世間の言う出世コースからはずれてしまいますが、
その代わりいまのようなグローバル化時代には
つぶしのきく存在になっています。
同じサラリーマンをやるにしても、
規格品のサラリーマンでは国際的に通用しません。
会社にやとわれてから海外に派遣される人より、
自分で勝手に海外を一通り渡り歩いた青年をやとって
思うように仕事をしてもらう方が
自主性があっていいなあという印象を受けます。

留学のためだろうと、あるいは遊びのためだろうと、
若いうちに自分の家を離れ、
言葉も通じない国に単身で出かけて行き、
一人で暮らした経験のある人は、
それだけで履歴書の空白が埋まってしまいます。
現に私は本人がどこの大学を出たかということよりも、
どこの国に行ってどんな経験をしたのかに注意を払います。
自分の国にいてどんな勉強をしたかということよりも、
どこの国に行って
どんな不自由に耐えて生きのびてきたかという方が、
その人の財産です。
変化にめげず、打たれ強い人間になることは
いまの時代を生きる上で
欠くことのできない条件の一つです。
卒業してからでもかまいませんが、
就職を遅らせて、諸国武者修行に出かけて見るのも
いいと思いませんか。


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2001年10月23日(火)

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