第601回
日本でやることがなくなっても大丈夫

ついこの間、NNAというインターネットで
海外に進出している日本企業に
情報を提供している会社に頼まれて、
香港でその会員会社の人たちに
「中国経済の先を読む」と題した講演をしました。
日本国内で500人、1000人という聴衆を相手に
お話をするのと違って、
100人あまりの小じんまりとした集まりでしたが、
いずれも海外で身をもって
日本と違った世界を生きている人たちでしたから、
打てば響くような反応がありました。

私がアメリカでテロを契機として
本格的な大不況がはじまるだろうと喋った時も、
日本が工業の生産基地としての魅力を失い、
大部分の付加価値が消えてなくなった事実を指摘した時も、
またシンガポール、香港、台湾の工場が
大挙して大陸に移動し、
空洞化と活気を失ったことを例をあげて説明した時も、
現実にその場に居合わせているだけに、
すぐに共感してくれる様子が見えました。

講演のあと利舞台広場の21階にある
益新飯店というレストランで
主催者からご馳走になりました。
私が指定した店ですが、
ここは琵琶鴨という家鴨料理が名物で、
料理のレベルに比べて値段が安いので、
こんな不景気な時でも超満員でした。
ただ注文をした主催者が加減がわからないので、
皿数が多すぎて食べのこしてしまいました。

席上、すぐお隣りの深で工場をやっている人が
「日本でやることがなくなってしまって、
 一体、日本人はこれからどうしたらいいんでしょうね」
と心配顔で私に質問したので、
「皆さんのように、外へ出て働けばいいんですよ。
 そのうちに大先輩と言うことになりますから、
 皆さんが教えてあげて下さい」
と思わず答えてしまいました。
いずれも仕事は順調ですが、毎日、
次々と新しいトラブルが起って悩みは尽きないようです。
でも日本国内にいてもそれは同じことでしょう。
すぐ隣国であっても、外国で仕事をするとなると、
日本人の常識をこえるトラブルが多いようですが、
守備範囲が拡がった分だけ
スケールも一まわり大きくなるものですね。


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2001年11月1日(木)

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