第619回
自分の都合だけで履歴書を書くな

履歴書の書き方について前にもふれたことがあります。
たった二頁か四頁のスペースですが、
その書き方一つでどんな人間か大体の想像がつきます。
「人は文なり」というように、
短い文章でその人の人柄がわかります。
字のうまい下手ということもありますが、
字の書き方でも、誤字の有無でも、
その人の知識のレベルや注意力の程度がわかります。
またほんの数行の文章であっても、
文章のかげで躍動しているその人のイメージが
浮び上がってきます。

履歴書は玄関口にたったその人のありのままの姿です。
ですから一瞬で、
相手に自分のことがわかるだけの配慮が必要です。
たとえば學歴は見ただけですぐにわかりますが、
職歴となると、説明が必要になります。
とりわけ毎年のように職場を転々と変わっておれば
席の温まらない人だと思われますから、
少なくともなぜ転職したかという
他人に納得のできる説明が必要になります。

また志望の動機とか、自己紹介になると
短い文章で相手の頭の中に鮮明に入り込むように
表現しなければなりません。
このへんのところは要領のいい人とそうでない人で
大きなひらきができてしまいます。

たとえば、自己紹介をするのに、
洋の東西の有名な學者や宗教家の言うことを長々と引用して
自分が如何に読書家であり勉強家であるかを
見せびらかす人がおります。
便箋紙に二十枚もぎっしり書き込み、
全部読み終わるまでに大へんな時間がかかると、
忙しい人は途中で投げ出してしまいたくなります。
履歴書を読む人が多忙な人で、
部下の報告をきくのにも三分間しか時間のない人に、
それを読むことを強いるだけでも
落第だということに気がつかないのです。

そういう人に限って
「私の意向に沿うような仕事を探がして下さい」
というのですから世の中はさまざまです。
人に物を頼む人は
相手の都合に合わせることを先ず考えるべきですね。


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2001年11月19日(月)

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