第638回
あなたも地球村の一員になります

カネはヒトより一足先に動きます。
ヒトはパスポートがないと動けませんが、
カネはパスポートなしでも動けるからです。
しかもカネはお出入をさしとめられたりすると、
すぐに肩書きを変えたり、モノに化けたりして、
監視の目をくぐる能力にもたけています。

もう1つ、カネは稀代の憶病者ですから、
身に危険を感じたら、たちどころに逃げ仕度にかかります。
またお金が儲かると思ったら、
カネはどんなにとめても、
なりふりかまわず突っ込んで行きます。
お金に逃げられたら大へんだとばかりに、
国があれこれストップをかけたりしますが、
そんなことでお金の動きをとめることはできません。

たとえば、台湾の資金が
大挙して大陸に動くようになったら、
台湾が永年かけて貯めた外貨はたちまち大陸に流出するし、
また台湾島内が空洞化すると心配した台湾政府は
「戒急用忍」(急ぐな、辛抱せよ)
というスローガンをかかげて、
上場会社が大陸に投資することを制限しました。
すると、上場会社のオーナーたちは
自分たちの持株の一部を売却して香港に送金し、
香港から大陸に投資して大陸に工場を次々と建設しました。
おかげで中国投資の1位を香港が占めるようになり、
台湾の空洞化は大へんな勢いで進行してしまいました。

カネが動くと、ヒトもそれについて動きます。
外資を歓迎する国では
外資についてヒトが入ってくるのを認めますから、
上海に住む台湾人はもう30万人をこえてしまったと
新聞は報じています。
生産基地の移転について
日本の方が台湾に遅れをとった感じはありますが、
日本の企業もこれからコストダウンを狙って
続々と大陸へ移動することになるでしょう。
そうしなければ、企業そのものが
成り立たなくなる瀬戸際に立たされているからです。

カネが動けば、それを見失ったら大へんだとばかりに、
ヒトも動かざるを得なくなります。
ヒトがそのあとを追っかけてついて行くのです。
モノ・カネ・ヒトと3つとも
国境をこえて動くようになれば、
誰もが世界的スケールで物を考える時代がきます。


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2001年12月8日(土)

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