第639回
失業しても社会の負担にならない努力を

失業者がこの1年で100万人もふえています。
こんな数字になったのは
27年ぶりだと新聞は報じています。

少し前は新規採用が減ったために
新卒の就職が思わしくないということでしたが、
半年もたたないうちに、失業率は5%から5.4%にふえ、
なかでも男性は5.8%に上昇しています。
これは企業のリストラが一段とすすんで、
低所得者層よりも、
給与の高い中高年層が整理の対象になっているからです。
大企業が軒並み大赤字になっているのは、
定年退職者に割増金を払っても早目に辞めてもらうため
退職金も含めて、
解雇に要する費用を一挙に計上しているからです。

解雇に要する費用は会社によって違いますが、
アジアの中のどこの国に比べても
大へんな金額にのぼります。
でも目をつぶって一ぺん払ってしまえば、
あとは払わなくてすみます。
その代わり退職金をもらった人は
永遠に職を失わないとしても、
以前のような高額のサラリーにはありつけなくなります。

もう終身雇用制も年功序列給も、
企業の業績悪化と共に崩壊してしまったのです。
高度成長が続いていた間、
企業は人手不足に悩んでいましたから、
会社は従業員の定着率をよくするために、
滅多なことでクビにしないことと、
勤務年限が長くなるほど
サラリーをプラスして行く方策をとってきました。
人件費を支払う財源があった間は、
社員の忠誠心をひきとめておく有効な手段として、
日本的経営のすぐれた長所として賞讃されてきましたが、
いまでは会社にとって
背負いきれないくらいの負担になってしまいました。

すると優先的に中高年齢層を狙って
リストラをやりますから、
どうしても一家の世帯主の失業がふえます。
この人たちは同じ職場で長い経験を積んでいる代わりに、
他につぶしのきかない人たちですから、
社会の大きな重荷になります。
老齢化が進行する上に
中高年齢層の失業がプラスされますから、
自分だけでもその例外になる努力が必要になりました。


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2001年12月9日(日)

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