第640回
仕事やあーいの時代が来ています

私はずいぶん昔から、いまに工場で働く人が減って、
サービス業で働く人がふえますと書いたことがあります。
アメリカのように
日本より一歩先を進んでいると言われている国を見ても
そうですから、
別に珍しい意見でも何でもありません。

生産事業は猛烈な競争の中で生き残ろうとすれば、
コスト・ダウンをはかる必要があります。
コストの中で大きなパーセンテージを占めているのは
労賃ですから、
産業が発達すればするほど、
労働力の生産性をあげることに力が入ります。
日本人は職人気質の強い国民ですから、
物づくりをするのに賃金の安い国へ移すことよりも、
機械化とか自動化によって
労働力の生産性をあげることに力を入れてきました。

おかげで自動化が進み、
日本のオートメ機械は自国で普及しただけでなく、
アメリカをはじめ世界中に売り込まれてきました。
国内で作業場の自動化がすすむと、
工場に人が要らなくなります。
工場に照明が必要なのは職工さんがいるからで、
職工さんが帰ったあとは機械が同じように稼働しますが、
照明代も節約になるのです。
おかげで工場から真っ先に
人が要らなくなってしまいました。

次に運輸業や通信業や建設業でも
人を減らすようになりました。
コンピュータの発達が
人減らしに役立つようになりましたが、
業界の景気が悪くなると、
IT化に一段と拍車がかかるようになりました。
不要になった労働力の一部は
IT産業そのものが吸収してくれましたから、
失業はあまり目立ちませんでしたが、
職場からの労働力の排除は容赦なく進んで行きます。

排除された労働力はどこに行くかというと
サービス業です。
航空会社も銀行もサービス業ですが、
いずれもリストラで人減らしに拍車がかかっています。
サービス業が生産や流通業の吐き出す労働力を
吸収しきれなくなったら、
失業者の大群になります。
労働力の生産性が上がると共に
労働力に対する需要が大幅に減っているのです。
仕事やあーいの時代が来ていると思って下さい。


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2001年12月10日(月)

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