第641回
臨時やといで会社がやって行けます

会社も人減らしに熱心ですが、
働く方も一つの会社に長く勤めていたいとは
思わなくなったようです。
とくに若い人は、一生の職場として就職試験を受ける人は
目立って少なくなり、フリーターやアルバイトを
大学を卒業してからも続けることに
さほど抵抗のない人がふえました。

一流会社に勤めることが人生の目的ででもあるような
生き方をしてきた親たちから見たら、
いつまでもオトナになりきれない
子供に見えるかも知れませんが、
そんな昨日の続きのような今日を送っていても、
別に生活に不自由しない時代になったのです。

住宅ローンを組んで、
毎月銀行に支払わなければならない金額はどれだけで、
子供が高校や大学に行くようになったら、
学資に必要なお金はどれだけと言った
スケジュールを組む生活をするなら、
いっそうあくせく暮らさなければならないのです。
セビロは十着持っていても一冬一着で通しても同じだし、
貯金がなくなりそうになってから働きに出れば、
別に食うにも困らないと思えば、
そういう生き方もできる時代になったのです。

風来坊のような生き方は昔からありましたが、
いまはそれが定番になって、
はずかしくもどうもないと考える人がふえました。
それはまた企業にとっても好都合な傾向であって、
何も正社員として募集して退職金の保証までしなくとも、
臨時やといで働いてくれる人が
いくらでもあるようになりました。
私の知り合いの社長さんの中には
一万人も人を使っているのに、正社員は二百人足らずという
会社経営をしている人もおります。
ほとんどが日給制の月給ですから、
いつやめられてもかまわないし、
退職金を支払う必要もありません。
それでちゃんとやって行けるのでしたら、
そもそも正社員なんかいなくても
事業はちゃんとやって行けます。
僅か十年あまりで雇用に対する日本人の常識も
すっかり変わりましたが、
仕事のやり方はこれからもっと変わると思いますよ。


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2001年12月11日(火)

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