第651回
年とるとお金が使えなくなるわけ

年寄りのふところくらいしか
狙うところは残っていないと言いましたが、
実際、年寄りのふところは
そうバカにしたものではありません。
ただ年寄りになると、
だんだん始末屋になってお金を使わなくなりますので、
年寄りにお金を使わせる知恵をあれこれしぼっても、
思うようにお金を使ってもらえないのです。

自分も年寄りの仲間に入りましたから、
年寄りがお金を使わなくなる理由がわかります。
若いときはうまくお金が儲かって、
お金が使える身分になると、
欲しい物は何でも買いたくなります。
家を建てるのはまとまったお金が必要なので大へんですが、
身につける程度のものなら、ケチケチしなければ、
何でも手に入ります。
洋服でも靴でも鞄でも世界の一流品と称するものは
一通り買いました。

腕時計は恐らく身につけるもので
一番高価なものでしょうが、
私はパテックフィリップやらピアジェ、
バセロン・コンスタンチンといった、
世界で最高級の腕時計は一通り持っています。
でもあんな物をつけて四双版納とか、
カラクリ湖まで行く気にはならず、
ふだんはシチズンの世界一薄手の腕時計、
もしくはバンクリフト&アペールの
これも薄手の自動時計を使っています。

年をとったらおしゃれに気をつけなければ
いよいよ年とって見えると思って、
身につけるものにも細心の注意は払っています。
同じシャツやズボンを
二日続けて着ないようにしていますが、
では新しい服を買うかというと、
十年前に買ったセビロでも
まだ一回か二回しか腕を通していないのが
東京、台北、香港、北京の洋服ダンスの中に
一杯詰まっています。
とり出して着て見ると、流行遅れになっていません。
流行というのは人間の知恵で考えることですから、
アイデアが尽きると、デザイナーたちは
また昔に戻るんですね。
洋服ダンスの中には裾の広いパンツもあれば、
狭いパンツもあります。
フレアのあるパンツもあれば
ストレイトのパンツもあります。
これでどうやってお金を使えというのでしょうか。


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2001年12月21日(金)

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