第653回
どうせなるなら花咲爺さんがいい

年をとると、
欲望のコントロールをしていたタガが緩んできますから、
だんだん本性が出てきます。
女性は意地悪婆さんか、欲張り婆さんですが、
男性は意地悪爺さんか、花咲爺さんと
昔から相場がきまっています。
私の場合はどうやら花咲爺さんの素質を持っているらしく、
自分でもそれを心がけています。

もちろん、時には憎まれ口もききます。
でも基本的には人をとことんまで
追い詰める気持ちはありませんし、
自分を裏切った人に対しても逃げ道があるように
心がけています。
また自分と袖振り合う立場になった人には
できるだけチャンスがあるように
力を貸すことを惜しみません。

でも年をとると、
年寄りの習性から全く自由というわけには行きません。
年をとると、先行きの不安もありますから、
誰でもお金を使うことには慎重になります。
若い人から見たら、ケチということでしょう。
もう一生使っても使いきれないだけの
お金を持っている人でもケチケチするのです。

ですから、できるだけケチにならないように、
お金を使うようにと自分に言いきかせます。
おしゃれに使うお金も減る、
バーに払うお金も減るとなると、
あとは食べるためのお金と海外旅行に行くお金を
ケチらないということになります。
自分にもそう言いきかせ、
自分でもそうしようと心がけていますが、
年をとってくると、食欲も昔ほどではなくなります。

お腹が受けつける量が減ると、
たくさんは食べられませんから、
「量は少しでもおいしいものを」ということになります。
もちろん何がおいしいかは人によって違います。
しかし、そのための努力を惜しまないことと、
ケチらないことは依然として必要です。
そのために千里の道も遠しとしないだけの
熱心さを身につけることです。
私はたった一食のために、
ボルドーからミッシェル・ゲラールまで
往復340キロ、車を走らせたこともあります。
そう自慢した話でもありませんが、
私の老齢化への挑戦です。


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2001年12月23日(日)

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