第654回
老人のお金は儲け話でしか釣れない

日本はまぎれもない老齢化社会になってしまいました。
これからもっと老齢化はすすみますので、
老人相手の商売があるのではないかと誰でも考えます。

でもヤングのマーケットはあっても、
老人マーケットはないのです。
老人はお金があってもお金は使わないからです。
若い人はフローはあっても、ストックはありません。
フローだって若いですからそうたくさんはありません。
しかも携帯電話とパソコンの支払いに
お小遣いの大半を吸い上げられていますから、
残りのお金はユニクロのチノパンツを買えたら
いい方でしょう。

老人はヤングに比べれば、
長い時間をかけて貯めたお金がありますから
いくらかましですが、
定期預金の利息がただ同然になってしまいましたから、
ストックが生んでくれるフローが吹っとんでしまいました。
そうなると、ストックを使いはたしても
まだ生きていたら大へんなことになるとばかりに、
ますますお金を使わなくなりますから、
老人をあてこんだ商売は成り立たないのです。

もしあるとすれば、お金を使う話ではなくて、
お金を儲ける話です。
年をとって財産が先細りになるのを
極端に心細がりますから、
一生使っても使いきれないくらいお金を持っていても、
お金の儲かりそうな話ならすぐにもきき耳を立てます。
多くの老人たちが
黄金の売買をすすめる豊田商事のセールスマンに騙されて
虎の子の大事なお金を捲き上げられたのも、
それがお金の儲かる話だったからです。

豊田商事のセールスマンのマニュアルに
あったのかどうか知りませんが、
老人たちを口説きに行って
風呂に入る老人たちの背中まで流してあげて、
「うちの息子もやってくれないことまで
 やってくれるのだから」と感激させたことが
老人たちの堅い財布の紐を
ゆるめさせるきっかけになったそうです。
強いて言えば儲け話が
老人マーケットの本命と言ってよいでしょう。


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2001年12月24日(月)

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