第660回
預金のまま銀行で眠らせるな

日本人は働いてお金を稼ぐことには熱心ですが、
稼いで貯めたお金を働かせて、
お金にお金を稼いでもらうことには
それほど熱心ではありません。
日本人は自分が銀行に預けているお金に対して、
銀行がいくらの利率で利息を払ってくれているか、
正確に答えられる人は少ないと思います。

私は毎月のように、
台湾、香港、上海、北京を一まわりして
東京へ戻ってきますが、
香港に行くと、普通のサラリーマンでも
銀行の定期の利率がいくらで、
貸付金の利率がいくらか知っています。
住宅ローンの金利もそれによって変動しますから、
直接、自分たちのふところに響いてくるのです。
また普通の家庭の主婦でも、
米ドルのレートはもとよりのこと
(香港ドルは米ドルにリンクしていますので、
 ほとんど変化はありませんが)
毎日変化するオーストラリア・ドルとか、
カナダ・ドルのレートを知っていますし、
へそくり程度のお金で売買をして
小遣い稼ぎをやっています。
利子所得に課税されないのと、
外貨を売買する時の手数料がうんと安いので、
為替遊びができるのです。

日本の場合は手数料が香港の十倍くらい高いし、
外貨で持っている定期預金の利息にも課税するので、
よほど外貨事情に精通している人でないと、
日本にいて外貨預金をすることにはなりません。
また自分の判断で外国の株の売買をする人も
先ずおりません。
銀行は、そういう人たちからお金を預かって、
それを国内で企業に貸付けたり、
有利な債券を買ったりして利ザヤを稼いできましたが、
低利な上に貸したお金が焦げつくようになると、
中小企業にはそっぽを向いて、
大企業やサラリーローンへの融資意外は、
アメリカの投資信託のような機関投資家に
バクチの資金を貸す方向に転換してしまいました。
どちらにしても、日本人の金融資産は国内で焦げつくか、
国外で焦げつくかして、
その利ザヤは金融資産の持主のところまで
届かない仕組みになっているのです。


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2001年12月30日(日)

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