第667回
年をとってからでは間に合いません

いまのようなご時世に失業したら、
定年に近い中高年層ほど再就職が難しくなります。
横浜港で港湾荷役として働きたい人が日に8千人ほどいて、
実際に仕事にありつける人は2千人くらいだそうです。
8千人の中には65才以上の人も
かなりまじっているそうですから、
結果として生活扶助費のお世話になる人が多いのは
やむを得ないことです。

定年近くなってから会社を辞めた人が
同業他社にいままでと同じ条件で再就職することは、
向こうから引っこ抜きにくるほどの凄腕でない限り、
ほとんど無理でしょう。
私はそういう人は、もし技術畑の専門家であれば、
中国や東南アジアの工場に行って
再就職をすることをすすめています。
但し、そういう場合でも
高い賃金を期待することはできません。
顧問として工場のレイアウトや品質管理を
現地の若い人たちに教えるのが関の山ですから、
報酬をもらうより、「先生、先生」と呼ばれ、
慕われることに喜びを感ずるのでなければつとまりません。

その場合でも業種よって
外国で通用するものとそうでないものがあります。
いま日本では住宅産業や建設業から
定年前に退職させられた人がたくさんいます。
そういう人たちから
自分たちの専門知識を生かす職場はないでしょうかと
問い合わせがありますが、
日本人の住宅に対する常識と中国人のそれが
あまりにかけはなれすぎるのと、
日本のゼネコンと中国のゼネコンのしきたりが
違いすぎるので、
日本の専門知識がそのままでは通用しないんです。

反対に機会の組立てだとか、アフターサービスだとか、
品質管理の指導ということになると、
カタコトでも何とか通用します。
ほかの業界に通用しない専門化のすすんだ分野ほど
専門家は尊重されますが、
そういう人は外国まで行かなくとも
国内でやる仕事がありますから、

専門知識を持たないまま中高年層に達した人ほど
再就職が難しいということになります。
そうした年齢に達してからでは間に合いませんから、
若い人はよくよく考えて下さい。


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2002年1月6日(日)

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