第736回
辻説法は国内ですぐできる仕事に限ります

いまは多くの人が新しい仕事はないものかと
鵜の目・鷹の目で探しています。
いい仕事があれば、いままでやってきた仕事は
やめてしまいたいと考える人が多いのです。

しかし、いい仕事はなかなか見つかりません。
とりわけ日本国内で探すのは容易ではありません。
付加価値を生む生産事業の大半が
消えてなくなってしまったからです。
その分、低賃金の中国や東南アジアに移ってしまったので、
新しい付加価値は新しく生産のはじまった現地か、
現地と日本を結ぶルートに
発生するようになってしまいました。

そうした付加価値の分け前にあずかろうとすれば、
本人が生産基地になった外国に行くか、
少なくとも外国と日本の間を
足繁くとびまわるよりほかありません。
地元で仕事をやることに慣れた中小企業の社長や店主に
外国に行きなさいというと、
10人中9人までが尻込みしてしまいます。
とりわけ海外進出をして失敗した人の話をきかされると、
びびってしまいます。
国際化の時代というけれど、
言語の障害を乗りこえることが苦手という人は
予想以上に多いのです。

その点、私が
「農村まさに荒れんとす。
 ここにビジネスのチャンスあり」
と言いますと、途端に目を輝かせる人がたくさんいます。
つまり海外の話になると、
耳を傾ける人は10人に1人もいるかどうかですが、
いま自分らの住んでいる周辺でできる仕事というと
10人が10人、眠気が吹っとんでしまうのです。
やっぱり辻説法は人を見てやるものだと
改めて納得しました。

もちろん、国内でもやれる仕事はたくさんあります。
生産事業から生ずる付加価値は
少なくなってしまいましたが、
工場を出てから消費者の手に渡るまでの
流通過程やサービス過程の付加価値は
そのまま温存されています。
それをめぐって争奪戦が展開されることは
覚悟しなければなりませんが、
創意工夫の余地がありますから、
やり甲斐があることに変わりはありません。


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2002年3月16日(土)

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