第748回
住宅ローンで利殖できた時代も

銀行が個人にお金を貸してくれない時代でも、
不動産の開発会社には3分の2は現金、
あとの3分の1は3年月賦でもかまいませんと
今日の住宅ローンもどきの条件を出す会社もありました。
多分、3分の2で元金が回収でき、
あとは分割払いでも儲けの部分だから、
金ぐりには困らなかったのでしょう。

土地分譲会社のセールスマンは一括して払う元金を
頭金と言っていましたが、
「カラダより大きな頭があるんですか」
と私が嫌味を言っても、
その意味がすぐにもわからなかったようです。
たとえ残金が3分の1しかなくても、
サラリーマンの収入で
それを3年で払い切れる人なんかいる筈もない時代でした。
マンションの建築もまだはじまっていなかったのです。

昭和40年代に入ると、
そろそろマンションの建設がはじまりました。
一戸建ての家と違って1軒の建物を分割して売りますから、
土地は共有、建物は個別所有という
いままでと勝手の違う所有権です。
なれない人はまごついたし、
値上がりするのは土地で、土地は何坪分しかないから
マンションは投資の対象にならないと言って
私に反対した人もおりました。

でも私はマンションは
交通の至便な都心部にあるから使用価値あり、
稀少価値もあって投資の対象になると言って人にもすすめ、
自分も率先して購入しました。
何よりも有難かったのは、住宅ローンがつくようになって
頭金さえ工面できれば、
ローンの支払いが家賃収入の中から支払えることでした。
私がはじめて買ったマンションは
渋谷の公園通りに面し、しかもデパートの隣りでしたから、
借りてくれる人を探す苦労もなかったし、
家賃の上がりでローンの返済も楽にできました。

あと同じことをもう少しスケールを大きくしてやれば、
利殖の道につながって行きます。
すると、どうしても銀行と
上手につきあわなければなりません。
そうした必要が私に
「銀行とつきあう法」を書かせる動機になったのです。


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2002年3月28日(木)

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