第755回
今度こそ「銀行よ、さようなら」かも

不動産の高かった時に銀行から借金をして
土地やマンションを買った人は
1人残らず痛い目にあっていますから、
もう借金はコリゴリでしょう。
何しろ何千億円もの返金をかかえた大企業は
会社更生法でも申請して倒産すればすみますが、
ちゃんと利息も払っている中小企業には矢の催促で、
銀行が潰れて債権も買収した債権回収機構に至っては
血も涙もあったものではありません。

現に北拓にお金を借りてくれと頼まれて
マンションを買った私の会社が
潰れる前の北拓に借りていた2億円のうちの1億円を返し、
残りを家賃の範囲内で返すと言ったら、
快く承知してくれました。
ところが債権が回収機構に移ったら、
ちゃんと利息も払い、
分割払いで返済をしているというのに、
3分の1いますぐ返せ、
返さなかったらすぐにも競売にかけると
配達証明つき書留便を突きつけてきました。
返済能力があると見ると、
高利貸のような態度を平気でとるのですね。

借金をしているのですから返済するのは当り前ですが、
お金を借りて下さいと頼まれた時の事情を無視して
取り立てをする政府機構には本当に愛想がつきました。
もう借金をして投資をする時代は過ぎてしまいました。
成長経済の時代に
紳士的なつきあいをしてきた銀行の幹部たちも
次々と定年退職したり、とっくに銀行をやめて
転職をしてしまいましたが、
どこの企業も銀行との腐れ縁はまだ完全に切れていません。

しかし、銀行からお金を借りて
事業のやりくりをする時代はすぎてしまいました。
借りたいと思っても先ず貸してくれませんから、
それはそれでいいのですが、
一体、日本の銀行はどうなるのでしょうか。
どうなるのか見当もつかないというのが
まだ銀行に残っている人たちの本音でしょうが、
もしかしたら今度こそが
「銀行よ、さようなら」ということになるかも知れません。
銀行がなくならないとしても事業をやる人たちが
銀行をあてにしない時代になりつつあるのですから。


←前回記事へ

2002年4月4日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ