第758回
不便や矛盾はお金儲けの鉱脈です

誰でもアイデアは山ほど持っています。
でもお金になるアイデアということになるとまた別です。

私のところにも、たくさんのアイデアが持ち込まれますが、
ではそれが企業化できるか
また世間から認められるようになるか、
ということになると残念ながら、
そういう好運に恵まれたことは滅多にありません。

何十年も前のことですが、
私がコンサルタントの会社をつくった時、
或る人から、プロパンガスのメータを考案したから、
企業化の手伝いをしてくれませんかと
頼まれたことがあります。
私は本人を連れてリコーの市村清社長に会いに行ったら、
市村さんはすぐに傘下で
水道のメーターをつくっている会社の技術の責任者を
引会わせてくれました。
都市ガスにはガスのメーターがありましたが、
プロパンガスのメーターがなかったので、
プロパンを使っている家庭では
まだどのくらいガスが残っているかわからずに
困っていました。
プロパンのメーターがあればと
誰もが思っていた時代でした。

ところが、私の紹介した人の考案したメーターは
欠陥があって物になりませんでした。
ただそれがきかっけになって、
その会社ではさんざ試行錯誤をくりかえした末に、
プロパンのメーターを完成し、
遂にその会社のメインの商品に
仕上げることができたのです。
春秋の筆法をもってすれば、
私がその生みの親だったことになりますが、
きっかけはプロパンガズの普及して行く過程で、
メーターの必要性に気づいたことでした。

不便や矛盾はいつだって
その解決を促すきっかけになります。
足が疲れたら
誰でも道の方が動いてくれないものかと考えます。
それが飛行場のゲートまでを
「動く歩道」で結ぶきかっけになっています。
お金になるアイデアは
そうした不便や矛盾に中から生まれてきます。
どこにそうした不便や矛盾があることを探せば、
どこに有望な鉱脈があるかのヒントが得られます。


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2002年4月7日(日)

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